東京中央区・化粧品及び健康食品の販売業者に対し500万円の立退料が認められたケース

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東京都中央区にある鉄筋コンクリート陸屋根5階建てのビル(延べ床面積約2360.44㎡)。その5階部分の1室(5階434.41㎡のうちの13.2㎡)を月4円5500円で借り、化粧品及び健康食品の販売業のための事務所として使用してきた借主。しかし、本件建物を建て替えるとして立退きを求められた!裁判所が借主に500万円の立退料を認めたポイントは?

裁判所が考慮した事実(東京地判平成19年1月22日)

本件建物は老朽化により耐震性能がなく倒壊の危険があった…

本件建物は、築後70年以上が経過しており、外壁にひび割れがみられ、排煙設備の問題があるだけでなく、自身により倒壊又は崩壊する危険がありました。耐震工事をする場合、総額7億円近い費用が掛かることが見込まれました。

裁判所は、これらの事情を貸主の計画が合理的であることを基礎づける事情として用いました。

貸主は敷地にビジネスホテルを建てる計画を進めていた…

貸主は、本件建物を取壊し、ビジネスホテルを建築する計画を立てていました。これに基づき、本件建物の76室のうち、数室を除いて、テナントは既に立退き済みでした。そして、建替えにより、本件ビルの立地を生かした収益が挙げられることが見込まれる状況でした。

裁判所は、貸主による計画と上記老朽化の事情を考慮し、建替えに合理性がある旨の判断をしました。

借主が本件建物を使用する日数は多くなかった!

借主は、化粧品及び健康食品販売のために本件建物を使用していましたが、貸主が本件建物を使用するのは、月に10~20日程度だけでした。そのため、裁判所は、借主が本件建物から移転することは容易である旨の判断をしました。

弁護士が解説する立退料算定のポイント

本件で特徴的なのは、本件建物が築後非常に長い時間経過しているということです。

古い建物であればあるほど、建替える必要性が高くなり、また、建物としての効用が終了したという判断になりやすくなります。そして、このことは、単に建て替えの必要性を基礎づけるだけでなく、建替えの計画が合理的であるという判断にも繋がります。

このことからわかることは、古い建物であればあるほど、立退きのハードルが下がり、立退料が低額になりうるということです。

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