東京都足立区の中古自動車販売業者に対して372万円の立退料認められた事案

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東京都足立区、六町駅から約1kmの立地にある5階建の建物。これを中古自動車販売店の運営のために月21万円で借りてきた借主。しかし、建物を売却するとして立退きを求められました!裁判所が借主に対し372万円の立退料を認めたポイントは?

裁判所が考慮した事実(東京地判平成23年4月14日)

貸主には長期借入金があり、本件建物等を売却する必要性が高かった

貸主は、運送業者を営んでいましたが、貸主には1億円の長期借入金があり、その返済額は1年間で3000万円にも上っていました。他方、原告の純損益は、立退きを求めた年度からマイナスになっており、本件建物とその土地を売却し、返済に充てる必要性が高い状況にありました。このような貸主の状態を考慮し、裁判所は、貸主が借主を立ち退かせる必要性が高いと判断しました。

借主側の利益はそれほど高いと判断されなかった

借主は、中古車の展示スペース及び駐車場を確保するため、本件建物の敷地の近隣の3か所の土地を借入れていました。ただ、借主は、本件建物の天井、壁、空調及びクレーン等、中古車販売のために必要で取り外し可能な工作を加えていました。裁判所は、このような事情を考慮して、借主が本件建物を使用する必要性が高いとはいえない旨の判断をしたものと思われます。

立退料の相当額は調停で示されていた

本件は、裁判の前に調停に付されていました。調停では、双方が出した資料に基づき、立退料額は375万円が相当だとの調停委員の意見が出ていました。裁判所は、調停で出された資料の他に立退料の額を変更するような資料は出されていないとして、375万円が相当であるとの判断をしました。

弁護士が解説する立退料算定のポイント

本件で特徴的なのは、建替えの必要性ではない貸主側の必要性が前面に出ている点にあります。立退料の事案で大多数を占めるのは、建物を建て替える場合に生じた立退きトラブルの事案ですが、本事案は、貸主側に積極的な利益があれば、借主が立退料を受け取ったうえで立ち退かざるを得ない場合があることを示しています。

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